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	<title>funny sunday &#187; Novel</title>
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		<title>セルジオ・コーヒー</title>
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		<pubDate>Sun, 20 Mar 2011 17:15:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>kiyo</dc:creator>
				<category><![CDATA[Novel]]></category>

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		<description><![CDATA[　まだ日の出ない早朝、うるさく鳴る目覚ましを止めて布団の中で大きく深呼吸をする。布団の中から手を伸ばしてカーテンを開けると、窓ガラスは結露でびっしょりと濡れていた。大粒の水滴がまだ暗い窓の外の景色をぼやかしている。彼は起 &#8230; ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　まだ日の出ない早朝、うるさく鳴る目覚ましを止めて布団の中で大きく深呼吸をする。布団の中から手を伸ばしてカーテンを開けると、窓ガラスは結露でびっしょりと濡れていた。大粒の水滴がまだ暗い窓の外の景色をぼやかしている。彼は起き上がって服を着替えると台所に行き、やかんを火にかけてコーヒーの準備を始める。一月に一度、街へ出かけて仕入れてくるコーヒー豆は、特にこだわりがあるという訳ではないのだが、もう十年以上も同じ店のものだ。店の主人は変わりもので、彼が行くたびに喜んで新しく仕入れたコーヒー豆の出生を長々と話し出すけれど、彼はおとなしく話を聞いて店の主人が満足して語り終えるのを待つことにしている。今日は丁度、新しいコーヒー豆の封を切る日で、店の主人によればそれは、ニカラグアのセルジオさんによって丹精込めて育てられた豆、ということだ。<br />
　ミルに豆を入れてハンドルを回す。するとカリカリと乾いた音が響く。やかんからは湯気が上がり、シュンシュンと機関車のような音を立てている。その合奏はめざましの暴力的な音に比べて、なんと心地のよい音なのだろう。フィルターに粉を入れて、その中央を指で窪ませる。そこに五百円硬貨分くらいのお湯を注いで暫く待つ。うすっらと上がる蒸気からコーヒーの快い香りが漂ってくる。窓の外では太陽こそまだ顔を出さないが、それまではただ黒い塊のようだった山の稜線がうっすらと見え始める。彼はその山をイメージしながらお湯を注いでいく。フィルターの中でコーヒーが山のように膨らんで、無数の小さな泡を立てる。<br />
　芳ばしく焼けたトーストにバターを塗って口へ運ぶと、彼はもぐもぐと咀嚼しながらコーヒーを飲み、うっすらと白み始めた窓の外を眺める。空には西側に光の弱まった星々が、東側に朝焼けを背負う山々が見えていた。浮かぶ雲は少しずつ形を変えながら東の方へと流れていく。彼は雲を見送りながらカップの底に残ったコーヒを飲み干した。</p>
<p>　こんな平和な日々が早く戻ってきますように。</p>
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		<title>クラウドファクトリー</title>
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		<pubDate>Wed, 10 Jun 2009 07:47:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>kiyo</dc:creator>
				<category><![CDATA[Novel]]></category>

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		<description><![CDATA[　世界の果て、というほど人々の街から遠くない。けれど少し人々の住む街から離れたところに雨野さんは住んでいる。少し痩せた四十恰好の中年男。 　まだ太陽の出ない早朝、彼は今目を覚ましたところだ。うるさく鳴る目覚まし時計を止め &#8230; ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　世界の果て、というほど人々の街から遠くない。けれど少し人々の住む街から離れたところに雨野さんは住んでいる。少し痩せた四十恰好の中年男。<br />
　まだ太陽の出ない早朝、彼は今目を覚ましたところだ。うるさく鳴る目覚まし時計を止めて布団の中で大きく深呼吸すると、春になりかけの、しかしまだ冬の空気が残ったひんやりした部屋の中で吐く息が白くなる。それは彼の目の前で小さな雲のようにたなびいて冷えた空気と混じり合い、すーっと幻のように消えていった。</p>
<p><span id="more-1378"></span></p>
<p>　雨野さんはベッドから起き上がりリビングに行くとストーブに火をつける。マッチを擦ると、夕べのうちに杉の葉と小枝、その上に薪と順番よく並べておいたストーブの中に放り込み、しばらくの間、注意深く眺める。一番最初に杉の葉に火が着いてストーブは燃え始め、彼はそれを確認すると台所に行きコンロに薬缶を載せてお湯を沸かす。そしてお湯が沸くと少し濃いめにコーヒーを入れて、それを飲みながらトースターにパンを入れ、目玉焼きを焼く。<br />
　芳ばしく焼けたトーストにバターを塗って口へ運ぶと、雨野さんはもぐもぐと咀嚼しながらコーヒーを飲み、うっすらと白み始めた窓の外を眺める。空には光の弱まった星々と、夕べのうちに夜の闇を染み込ませてしまったような黒い雲が、どこかもの悲しい冬の夜明けと、美しい希望に満ちた春の朝の中間で、音も立てずに—それは音を立てずにいるのが嘘のような光景だった—浮かんでいた。彼は視線を目の前に戻すとまた深呼吸をする。ストーブが部屋を暖めて吐く息はもう白くならない。<br />
　朝食を食べ終えると雨野さんは仕事へ行く準備をする。彼は町の外れにある工場で働いている。工場までは車で十分程の距離だ。エンジンをかけると少し古い所々がへこんだ車はとても気怠そうな音を立てる。排気口から出た煙がふわふわと空中に漂い出すと、それは空気の中に薄まって消えて行く。まるで車の吐いた溜め息のようだ。<br />
　通勤路は少し急な上り坂でオンボロ車はエンジンを激しく回転させ、大きな音を立てながら山道を上って行く。その頃になると夜はもう完全に明けていて、東の空には力強い太陽の輝きが西の空の闇をも追い払って地面まで降り注ぎ、朝露に濡れた緑の絨毯を乾かしている。<br />
　山道を上りきると突然、今までの何もなさが嘘のように工場が現れる。雨野さんはゲートを通って駐車場に車を止めると工場へ入る。中では夜勤の多田さんがお茶を飲んでいた。<br />
「おはようございます」と雨野さんが後から声をかけると、多田さんは振り向いて「おはようございます。今日も寒いね」と湯のみを包み込むようにして温めていた手を挙げた。<br />
　二人は軽い引き継ぎをして、仕事の内容を確認する。<br />
「今日は曇りだよ」多田さんが石油ストーブの前で手を擦り合わせながら言う。<br />
「どのくらいかな？」と雨野さんは聞く。<br />
「どんより、だね」<br />
「どんより。了解」<br />
　引き継ぎを済ませると多田さんは帰り支度を始める。お茶を飲んでいた湯のみを流し台に片付け、黒い肩掛け鞄を掛けると「じゃあ、後はよろしく」と言って帰って行く。<br />
　雨野さんは計器類の確認をしながら今日の仕事の内容を実行して行く。曇り空、どんより。これが今日の仕事だ。彼は排出する水蒸気の量、浮遊粉塵の量、これを調整してどの程度の量、どの程度の高さに雲を浮かべるのかを決める。少しでもバランスが崩れると全て台無しになってしまう。雨野さんは慎重に調整していく。とても壊れやすいものを扱うような手つきで目盛りを調節する。<br />
　工場の煙突から雨野さんが慎重に作り出した雲が世界中にもくもくと広がって行く。</p>
<p>「曇り空、どんより」雨野さんは復唱した。</p>
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