水中散歩2008/09/05
水族館で水の中へ射し込んでくる光のゆらゆらとした輝きを見ていると、体がほぐれ、不思議と心の糸がほどけていくような気がする。いや水がしみ込んでふやけるように柔らかくなる、というべきか。それはとても快く、そこにいる魚たちを見ているというのではなく、同じ空間を共にしている、そんな気持ちになるのだった。
私は水槽の外にいるがまるで泳いでいるような気持ちだった。それは回遊魚のような敏捷な動きではなくて、ゆらゆらと波に揺れる海藻のような心地の良い泳ぎだ。目の前をシロワニというサメが過ぎて行った時、私は急に現実に戻り、何万匹という鰯の群れが泳ぐ水槽の前で、ただ呆然としていた。